クライアントの課題相談
愛媛にある中古車販売店のウェブ担当者から、次のような相談を受けました。
「最近、ウェブサイトへの問い合わせが減少していて、販売機会の損失が懸念されています。さらにGA4の操作がよく分からず、どのデータを活用すれば良いのかも不明です。」
この問い合わせの減少は、直接的に販売数の低下につながるため、緊急の対応が必要でした。
分析と提案
仮説の立案
まず、潜在顧客がウェブサイト上のどの段階で離脱しているかを特定するために、GA4のファネル分析機能を活用することを提案しました。ファネル分析とは、ウェブサイト訪問者が問い合わせや購入などの最終行動に至るまでのステップを可視化する手法です。
ファネル分析の具体的な手順
- GA4にログイン
「探索」メニューを選択します。 - テンプレートの選択
「ファネル分析」を選び、分析を開始します。 - ファネルの構築
- ファネルに含めるステップを設定。例:
- サイト訪問
- 車両一覧ページの閲覧
- 車両詳細ページの閲覧
- 問い合わせフォームへの移動
- 対象ページやイベントを基にユーザーの動きをトラッキング。
- ファネルに含めるステップを設定。例:
- データの可視化
どのステップでユーザーが離脱しているかを確認します。
これにより、具体的な改善ポイントが浮き彫りになります。
施策の実行
ファネル分析の結果、この中古車販売店では「車両詳細ページ」から「問い合わせボタン」までのステップで多くのユーザーが離脱していることが分かりました。そこで、以下の改善施策を実行しました。
1. 車両詳細情報の充実化
- 視覚的なコンテンツの追加: 高解像度の画像や動画、顧客レビューを掲載し、ユーザーが車両について十分な情報を得られるようにしました。
- スペック情報の見やすさ改善: 車両の主要スペックを一覧形式でわかりやすく表示しました。
2. 問い合わせボタンの最適化
- CTA（Call To Action）の強調: 問い合わせボタンのサイズ、色、位置を変更し、ユーザーが次のアクションに進みやすいようデザインを改善。
- ボタン文言の工夫: 「今すぐ無料で問い合わせる」など、行動を促す具体的なメッセージを追加しました。
3. ページ速度の改善
- 技術的な最適化: ページの読み込み速度を改善し、特にモバイルユーザーのエクスペリエンスを向上させました。
成果
施策実行後、次のような成果が確認されました。
- 問い合わせ件数の増加
問い合わせ件数が施策実施翌月に20%増加しました。 - ユーザー滞在時間の向上
車両詳細ページの平均滞在時間が25%増加し、ユーザーがコンテンツに引き込まれていることが分かりました。 - ファネル全体の効率向上
ファネル全体の離脱率が10%減少し、問い合わせまでのステップがスムーズになりました。
応用例
GA4を活用したファネル分析は、以下のようなマーケティング施策にも応用可能です。
1. 広告キャンペーンの最適化
- 異なる広告経路からの訪問者の動きを追跡し、最も効果的なキャンペーンにリソースを集中できます。
2. 特定車種ページの訪問促進
- 着目すべき車種やキャンペーン情報への動線を強化し、問い合わせや試乗予約の増加を図れます。
3. リターゲティング施策
- 離脱したユーザーに対してリターゲティング広告を配信し、再訪を促す施策を展開できます。
まとめ
GA4を活用したファネル分析は、顧客の行動データをもとに課題を可視化し、具体的な改善策を導き出す非常に効果的な方法です。今回の事例では、問い合わせ件数や滞在時間の改善だけでなく、販売機会の最大化にもつながりました。
ウェブサイトの集客や成約率に課題を抱えている方は、ぜひGA4を使ったファネル分析を試してみてください。
「ぽぷら」ではGA4の設定からデータ活用まで、手厚くサポートしています。気になることがあれば、ぜひお気軽にお問い合わせください。一緒に最適な解決策を探りましょう！
